『近親相姦 お母さんの美尻』加山なつ子

 今や、AV女優といえば日陰の存在からアイドル級の人気を誇るメジャーな存在となった。しかし、それはなにもここ数年のうちに変化したものではない。その基盤は今から遡ること20年前には築かれていた。そして、その基盤を築いた人こそ、この加山なつ子さんなのだ。89年にデビューした彼女は、「元祖巨乳AVギャル」としてAVのみならず深夜バラエティ番組でも大活躍、あの今は亡き飯島愛さんとも共演していた。

 現在は40歳になったなつ子さんは、現役AV女優の最古参となったわけだが、今でも単体女優として活躍している。リリース本数こそ少ないが、爆尻美熟女として再ブレイクを果たし、今でもファンの数を増やし続けている。

 そんななつ子さんの最新作は、往年のファンには懐かしく、若いファンには斬新なピンク映画テイストの官能劇。ストーリーは、息子の家庭教師と関係を持ってしまう淫乱な熟母の痴態を描いたシンプルなものだが、そこにピンク映画のような深みを感じさせるのは、ひとえになつ子さんのお色気のたまもの。息子を膝枕で耳かきしながら、若い家庭教師への甘い想いを打ち明ける彼女は、母親というより一人の女としての色気を放つ魔性の美熟女。嫉妬した息子に豊満な乳房を吸われても拒否することもなく、「しかたないわね……」とスケベな雌の顔で受け止めてしまう。

 当然、家庭教師とのセックスもお色気ムンムン。何度も「お色気」という表現を使って申し訳ないが、見ていただければご承知いただけるはず。本能のまま肉欲に溺れながらも、母性溢れる包容力で男を包み込み、男性本来の闘争心をも引き出す魅惑のエロスを放つ彼女。筆者は、縁あって、何度か本人に会ったことがあるが、その度にお色気とは彼女のためにある言葉ではないかと感心させられてしまうのだ。

 物語は、最終的には息子まで巻き込み3Pへと発展していく。AVではありきたりな展開であるのに、なぜか「待ってました~!!」と、歓喜さえしたくなる。彼女の3Pは、そんじょそこらの3Pとはわけが違う。筆者の目に映ったのは、加山なつ子という極楽浄土を奪い合う、若き家庭教師と息子のセックス合戦。菩薩のような表情で、2人の男を恍惚に誘う彼女を目の当たりにして、美熟女の魅力と深みに改めて感銘を受けた。
(文=文月みほ)
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