ヤラセ? エリカ様にICONIQが上位君臨するネットランキングの怪

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 12月も半ばを過ぎ、このところあらゆる媒体で発表される”今年の○○”。例年の行事で言えば、ユーキャンが流行語大賞を決定し、清水寺では日本漢字能力検定協会により今年の漢字1字が発表された。すでにマンネリ感は否めないが、一方で今年新設された”今年の○○”も数多い。そのひとつが、Googleが14日に開設した「YouTube Rewind チャンネル」で発表した、”今年1番国内のユーチューブで再生された動画”だ。

 ナンバーワンには、沢尻エリカがファッション誌「GLAMOROUS」(講談社)5月号のグラビア撮影時に撮ったというメイキング映像が選ばれたわけだが、これについてどうもキナ臭いという声があがっている。

 というのも、同動画の再生回数は合計197万回程度だったと発表されているからだ。ネットユーザーたちは「そんなに少なくて、1位なのか」「1000万は余裕で超えてる動画がある」と、エリカ様の1位獲得に疑問を抱いている。実際、ミュージックビデオ部門で1位になったAKB48の「ポニーテールとシュシュ」は1000万回以上の再生回数を数え、数の上では、エリカ様を圧倒している。

「そもそも、ネットランキングほどあいまいなものはありません。その定義を明確にして事前に告知しておけば、正しい結果が反映されるかもしれませんが、そんなことをすれば、些細なことをきっかけに、ネットユーザーの暴走的投票が始まってしまう。いわゆる”祭り状態”ですね。そうなるとランキング自体の存続に関わります。ですから、今回のYouTubeのように、何の告知もなく、いきなり”今年4月から11月末までに配信された動画の中で”というくくりを勝手に作り、今年もっとも再生された動画を発表したんでしょう。つまりどういうくくりにするかは、運営側の任意なわけで、それこそ何を1位にしたいかによって変わってくるわけです」(ネット事情に詳しいライター)

 確かに、今回YouTube側が発表した「4月から11月末」という期限を「1月から12月」にし、来年の頭に発表していたら結果は違ってきただろう。当然、尖閣諸島問題の動画が上位に食い込むはずだ。そしてこの問題こそネットユーザーたちの提起するところだ。つまり、なぜ”4月から11月末”の限定された期間で、”今年もっとも”と標榜するのかということ。そこには何か不純な動機が感じられるというわけだ。だがこれについて前出の記者は「多少はしょうがないことかもしれない」と言う。

「11月の末にヤフーが発表した”ネット番付2010″というものは、そのキャッチコピーに”5,000万人が選ぶ”と謳っています。この日本人の約半数ともいえる5,000万人という数字に対してネットの住民たちは冷ややかな視線を向けていたようですが、ヤフー側からすれば、誇張でもなんでもない。それだけの人間がヤフーを利用しているのは事実ですからね。この投票に参加した人間がそれほどいるかどうかは、別の問題なのです。そこで5,000万人という批判も出てくるわけですが、ヤフーとすれば、このネット番付の定義を”Yahoo! JAPANでの検索回数などを考慮しながら、独自の視点で選出した”としているわけで、ヤフー利用者は一月で約5,000万人、検索結果なども考慮しているということで、ヤフーは”5,000万人が選ぶ”と標榜するわけです」(前出)

 加えて、運営側がランキングの結果を操作するのは難しいが、ノミネートの選出や時期の設定が任意な以上、ある程度なら方向性を決めることは簡単だと言う。その点で、ネットランキングにおける運営側のジャーナリズム的な公平性は絶対に欠かせないのだ。
 
 とかくネット投票などで話題になるのはネットユーザーたちの暴走的行為だが、それは明らかに公平性を欠く運営側への警鐘なのかもしれない。”5,000万人が選ぶ”なんて言われたら、知らない人にしてみれば、そんなに話題の人なのかと興味を持ってしまうだろう。誰がどんなきっかけで興味を持ってもいいが、それが公平性を謳っていた場合、運営側の恣意的なモノであってはいけない。匿名性を前提としたネットの社会は、それゆえ目に見えにくい。公共的サイトの運営側は目に見える存在として、疑念を抱かれない配信を心がけてもらいたい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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