さんま・紳助の代理戦争!? ブラマヨVSチュート、未来の大御所対決

owarai1113.jpg※画像左上から島田紳助、『本人vol.11』太田出版、『マヨブラジオ presents ブラックマヨネーズ 吉田VS小杉 意地のガチンコマッチ』、『冒険チュートリアル ~やったことない冒険ツアー~』

 ここ数年、世間を賑わせてきた若手お笑い芸人の一発屋饗宴も近頃では静かになり、生き残ったのはアダ名命名で2発屋と揶揄されながらも、毒舌的なフリートークが認知された有吉ただ一人という状況だ。一時のお笑いブームの沈静化に、世間ではお笑いバブルの崩壊を指摘する声もあがっている。が、それでもテレビをつければ連日連夜のバラエティ放送。もちろん活躍しているのはお笑い芸人たちで、中でも、業界最大手としてどこの事務所より多くの芸人を抱え抜群の活躍を見せているのが、吉本所属の芸人たちだ。

「吉本の所属芸人は、事務所にプロフィール登録さえされていない若手も含めると膨大な人数になります。なんせ、毎年所管のNSCには1000人以上の若者が芸人を目指して入学し、その中の一握りが卒業後、プロとして活動するわけですが、雪だるま方式にその人数は膨れてます。その中で幸運にもチャンスを掴んだ人間がテレビで活躍しているんです」(お笑い専門ライター)

 ほとんどの若手にとって活躍する場はライブなどの舞台に限られている。そうした状況で、若手芸人がテレビで活躍するには、番組オーディションで、制作側に認められることだ。が、一時のブームを支えた『エンタの神様』(日本テレビ系)は終了し、『レッドカーペット』(フジテレビ系)もレギュラー放送打ち切りとなった今、若手芸人がテレビでネタを披露する場はごく限られている。

「今の若手芸人の状況はこれまでのブーム時に比べ、悲惨と言っていいでしょう。ライブに人は集まらないし、その結果ライブDVDも売れない。芸歴10年以上で、未だに自身のライブチケットを手売りしているコンビなどザラです。昔であれば、ライブ活動で芸を磨き、その結果人気の出た芸人がテレビという晴れ舞台にいったわけですが、これだけ人数の膨れた若手芸人の世界では、これまでのようにライブを続けていれば(もちろん才能などの問題もあるが)、そのままテレビの世界に行く、というわけではなくなってきているのです」(前同)

 さらに、若手芸人がテレビに引っ張られるチャンスはバーターでしかありえないという。

「もちろんM-1などに代表されるような、若手の登竜門的新人賞の受賞で、知名度と人気を上げ、その結果テレビに進出するというのは常套手段だが、今のこのお笑い芸人飽和状態のテレビ業界で、さらにその後の活躍のためには、ゴールデンタイムなどで多くのメインを張っている大御所芸人たちの後ろ盾が絶対的に必要になっている」(テレビ局関係者)

 ゴールデンタイムでメインのMCといえば、やはり、明石家さんまや島田紳助などの名前が思い浮かぶ。2人とも個人事務所を経営しているとはいえ、もちろん吉本所属だ。

「最近では、ロンドンブーツやタカトシがゴールデンでメインを張るなど、徐々に若返りも見えるが、それでもまだ圧倒的な存在感を放っているのが80年代から活躍している大御所の面々。未だに人気の高い彼らの活躍はまだまだ続くだろうと言われており、必然的に、彼らに気に入られることが、テレビでの活躍を意味する。よくヘキサゴンファミリーなんて言われているが、これはもちろんイコール紳助ファミリーなわけで、彼のお気に入りによってメンバーは構成されている。『紳助社長のプロデュース大作戦!』(TBS系)など、あまりにも露骨なタイトルとレギュラー出演陣に嫌悪感を抱き批判をする人も多いが、そんな番組が成立してしまうほど、彼の影響力は大きい」(前同)

 そんな紳助が近頃もっとも力を入れてプッシュしているのが徳井と福田によるチュートリアルだという。

「もともと紳助はM-1を征した漫才コンビを重用する傾向にある。自分がM-1の創設者の一人であるため、それは当然の流れとも言える。が、M-1もすでに今年で10年目を迎えるわけで、毎年毎年生まれるスターを紳助が庇護し続けるのは無理がある。その結果、昨年の覇者であるパンクブーブーは今年ブレイクに至らず、地味な活動に甘んじている。”M-1限界説”なんてのも、そういう理由から生まれるのかも知れない。それでも紳助が、わゆるM-1出身者を頻繁に番組に呼んでいるのは、視聴者の誰もが気付くこと。新撰組リアンなんかもそうだが、自分が生んだという自負と共に、だからこそ責任をもって育てなければならないという意識があるようだ。特に最近紳助が可愛がっているのは、『行列』などに出演しているチュートリアルだ」(前同)

 さらに前出のライターは、チュートリアルに加えて、同じくM-1王者のブラックマヨネーズについても、当初紳助は目をかけていたという。

「真偽のほどは分かりませんが、もともと紳助さんはブラックマヨネーズにかなり目をかけていたようです。M-1をとった2005年以降、紳助さんはことあるごとに彼らを番組に呼んでいましたから。でも、最近ではめっきり紳助さんの番組で彼らを見ることはありません。冠番組なども持ってブラマヨの人気が出たというのもあるでしょうが、それとは別に、ここには、さんまさんとの密約というか、約束があるようなんです。今秋からゴールデンでの放送に繰り上がった『ホンマでっか!?』に、ブラックマヨネーズの2人はレギュラー出演してますよね。つまり、紳助さんとさんまさんの間で、ブラマヨを取り合ったという噂があるんです」(前出・お笑い専門ライター)

 確かに、水物と言われるテレビは、あまり出過ぎると視聴者の側が飽きてしまうということがある。それを防ぐために、人気モノが多少出演を自重するということがあるが、ブラマヨなどもその類なのだろうか。

「紳助さんの番組とさんまさんの番組の両方に出るようなことが続けば、それこそ毎日のようにゴールデンでブラマヨの2人を目にするようになり、どうしても視聴者に既視感を与えてしまいます。そうなると、損をするのはブラマヨの2人で、それ以上に彼らの所属する吉本です。久々に登場したフリートークもネタも実力のある2人ですから、吉本としてはむざむざ未来の大御所をそんなことで消耗させるわけはありません。したがって、ブラマヨは自分の番組の他にはさんまさんの番組に限定して出演させているのでしょう。逆に紳助さんにはブラマヨと同期で、こちらもまた人気実力の揃ったチュートリアルを出演させているというわけです。全部吉本の計算というわけですよ」(前出)

 自虐的な被害妄想をネタにM-1王者になったブラックマヨネーズ。社会批判的な要素すら感じる妄想ネタでM-1を獲ったチュートリアル。吉本期待の若手は、今それぞれが大御所の番組に出演して、未来の大御所を目指している。容姿からして完全なバラエティ型のブラマヨは天性の芸人である明石家さんまの後継として――、芸人には思えない顔立ちの徳井と常識人の福田で構成されるチュートリアルは、報道番組などでも活躍する島田紳助の後継として――。すでに未来の大御所作りに余年のない吉本興業。業界最大手の牙城はまだまだ安泰ということだろう。
(文=峯尾/http://mineomineo.vox.com/

マヨブラジオ presents ブラックマヨネーズ 吉田VS小杉 意地のガチンコマッチ

 
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