心も体もズタボロ……お笑い芸人の戦線離脱が止まらない!

komoto.jpg※画像は、CD『HOME TOWN 東京編』より

 先日、次長課長の河本準一が「すい炎」の診断を受け、2カ月の休養に入ることが明らかになった。7月には、同じく吉本興業に所属する中川家の中川剛が同じ診断で約1カ月の療養を余儀なくされている。ダウンタウンの松本人志が股関節炎で長期休養したことも記憶に新しい。ナインティナインの岡村隆史に至っては、7月から現在に及ぶまで目下休養中であり、復帰の目処すら立っていない有様だ。今年に入って相次ぐ芸人たちの戦線離脱。そこには、あまりにも過酷な売れっ子芸人たちの仕事ぶりがうかがえる。

「松本さんや岡村さんの場合は、持病というか、それこそ個人的な病気が理由で、その療養のために一時期休んでいた(※岡村の場合は現在も療養中)というものですが、河本さんや剛さんの病状は完全に過労やストレスによるものでしょう。知名度も人気もあって、レギュラー番組や準レギュラー番組をいくつも抱える売れっ子芸人ですから、その皺寄せが体にきてしまったということではないでしょうか」(芸能関係者)

 また、お笑いタレントを多く抱える某芸能事務所の関係者はこう語る。

「中川家も次長課長も、いくら売れていると言っても、これまで単独で全国放送の地上波ゴールデンの冠番組を持っているというわけではないですから。レギュラーとか準レギュラーであっても、いつ後輩芸人の誰かと変えられるか分からないといった状況で常に仕事をしているわけです。スタジオ収録もあれば当然ロケもあり、舞台にも立つわけですから、休日なんてほとんどないでしょう。体が壊れてもおかしくないですよ」(芸能事務所関係者)

 確かに、未だにゴールデンタイムでの全国放送でメインを務めるのは、明石家さんま、ビートたけし、島田紳助ら大御所の面々が目立つ。もちろんその他にダウンタウンやとんねるず、ナインティナインによる長年の冠番組があるが、そんな彼らよりも一世代も二世代も若い芸人が続々と輩出されているのに比べて、まだまだテレビは大御所たちに牛耳られているのが現状だ。前出のお笑い関係者は今のテレビで活躍する芸人はすでに飽和状態だと語る。

「とにかく芸人の数が多いんです。確かに、お笑いの一般化は、テレビに出れない芸人にもライブや舞台だけで食べていけるというシステムを確立させましたけど、やっぱり爆発的に稼ぐにはテレビが一番効果的なのは間違いないです。ただ、上にはまだまだ抜群に面白くて人気のある大御所の芸人さんがいますから、なかなか若手が彼らのようになるのは難しい。それこそ、河本さんのように、どんな番組にも顔を出して、働き続けなければ生き残れないのが現状です。少しでも仕事を選ぶようなことをすれば、他に代替は効きますから。芸人の世界は、とにかく過酷なんです」(前出)

 番組のメインを務める大御所に気に入られれば、その後も仕事は順調に入ってくると、この関係者はいう。その点、河本の人柄の良さは業界でも有名だ。

 河本は、関西の吉本芸人とは、なかなか共演しないことで知られるとんねるずの番組にも定期的に顔を出すなど、とかく同事務所で固まりがちな芸人の中でも、事務所の枠を飛び越えた活躍を見せている。そんな人柄の良さが、彼の仕事を支え、かつ多忙を極め今回の長期休養を招くとは、なんとも皮肉な結果だが、それが将来の見えない芸人の性というものなのだろう。

 秋の番組改編シーズンに、特番が続き慌ただしかったテレビも、先日の三連休後から徐々に新番組が放送を始め、ようやく落ち着いてきた。すでに最終コーナーを回った特番シーズンラストの15日には、次長課長が初の全国放送でのゴールデンでメインを務める『戦え!極限バトルSP~アイツに勝てば100万円~』(ABC・テレビ朝日系)が放送された。すでに療養中の河本はどんな気持ちでこの番組を見たのだろうか。

 衰えを知らない大御所芸人たちの活躍は、まだまだ今後も続くだろう。次長課長や中川家、またはその他の芸人たちの冠番組はいつになったら見れるのだろうか。一掴みのチャンスをうまくものにして、易々と冠番組をもった若手芸人もいる中で、彼らのような実力派中堅芸人は、いつまでも走り続けなければならない。ようやく大御所に対抗できる本当の実力でのし上がってきた芸人は今のところ千原ジュニアだけだ。河本や剛など、溢れる芸人の中で輝き続けるのには、やはり体を酷使するしかないのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineomineo.vox.com/

「この芸人を見よ! 」

 
手前味噌ですが

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