右から山本竜二、掟ポルシェ、吉田豪、加藤鷹この取材の前日、田代まさしが逮捕された。
このイベントでは”ゴールドフィンガー”加藤鷹と、鷹さんをして「世界一うんこを食べている男」と評されるAV男優兼AV監督・山本竜二と共に、田代まさしが出演し、芸能界やAV界の裏話を披露する予定だった。ところが前日になって「田代まさし、コカイン所持容疑で逮捕!!」という緊急ニュースが舞い込み、イベントの開催自体も危ぶまれたが、ピンチヒッターとして吉田豪、掟ポルシェの両名が出演を快諾。イベント名も『マーシー＆鷹＆竜二のぶっちゃけトーク！（マイナスマーシー）』と形を変えて、決行の運びとなった。ちなみに払い戻しはゼロ。みんな田代まさしが好きなんだなぁ。
というわけで、今回のイベントレポートでは、イベントで明らかになった田代まさし像について書いてみたい。報道に反論するつもりもないし彼を擁護する気もない。ただ、田代まさしについてなんらかの形で残すことには一定の意義があると思う。あればいいな。
さて、記者であるぼくが田代まさしをニュースで見て驚いたのはその激ヤセぶり。いかにもヤク中だ。しかしあれはクスリのせいというよりも、春に受けた胆石の手術のためであるようだ。どうも手術を受けるのに絶食を強いられていたらしい。食べるのが欲求不満解消の田代まさしにとって、それは相当なストレスだ。
手の震え、ろれつが回らないという報道も、もしかしたらクスリの禁断症状によるものではないの可能性もあるという。出演者たちによれば、あれは田代まさしの緊張癖のために出てくるもので、1時間も話せばそれらはおさまるものらしい。過去の逮捕によって生じた数千万円という損害賠償と、復帰へのプレッシャーが、過度の緊張を彼に強いたのかもしれない。
また、田代まさしはしょっちゅう職務質問をされていた。顔の売れ方と前科により、それはしょうがない。ある時、県警のおエライさんから、「今度職務質問をされたらオレの名刺を見せてもいいよ」と、名刺をもらったそう。田代はその名刺をパウチ加工して大事にしていたという。
ところで、田代と共に逮捕された同行の女性に関しては、周りの人間もそれなりに信頼していたらしい。付き人氏のみならず、田代と同居していた妹も「あの人なら安心」と話していたそうだ。彼女はもともとシャネルズのおっかけで、ヘアメイクの手伝いもしていたようで、地方営業の際には身の回りの世話もまかされていたようだ。
マーシーTシャツ着用のアツい観客を見つけて大盛り上がり刑務所では娯楽はほとんどないと思われているけれど、実際は雑誌など購読できる。マーシーはなかでも「週刊プレイボーイ」（集英社）が お気に入りだったようで、スザンヌのグラビアでよくヌイていたんだって。で、当時 連載されていた加藤鷹のマンガがお気に入りだったそう。
また前回の出所後にAV出演のオファーがあり、1千万円のギャラを提示されたものの、ラッツ＆スターのメンバーとしての活動ができなくなるから、と、田代は出演を断っている。ラッツ＆スター愛が感じられるなぁ。ぼくも好きでした。ただ、その復活ももはや望めないのか……。
田代まさしを語る時の出演者たちの表情は、なんともモヤモヤしていて、歯切れが悪い。本当に怒っていいのか、悲しんでいいのか分からない様子だった。なんだかんだいって、愛されていたんだよなぁ。
だがしかし、「田代まさしのなんだかな～トーク」は、第二部に移り、山本竜二のウンコトークにすっかり塗りつぶされたのであった。本来、このトークイベントではマーシーも含めてスカトロ話で盛り上がる予定だったのである。加藤鷹をすっかりツッコミ役に追いやり、独壇場に立った山本は、「うんこだけ食べとったら、逮捕されへんのに！」と絶叫。数々の爆笑エピソードが語られたけれど、詳しいことは経営する居酒屋「竜ちゃん」で直接本人から聞いてもらうとして、ここでは彼のすごさがわかるエピソードをひとつだけ。うんこの話じゃないんですけどね。
彼が初めて”ゲロ”を食べたのは高校生の時。デート中に、彼女とお好み焼きを食べたふたりは、なんだか物足りず、焼きそばを追加注文した。だが、焼きそばを炒め始めたところ、彼女が鉄板の上に大嘔吐！ 恥ずかしがる彼女、汚い汚いと大騒ぎする店内をよそに、「もんじゃ焼きまできおったわ～！」と山本はゲロをぱくぱくぱくっ！
「彼女に対する愛ゆえですよ！」
おっしゃる通り。でもぼくにはできましぇん。前半クスリ、後半うんこ。なんてフリーダムなトークライブだったことでしょう。居合わせた田代ファンも十分満足したようで、マーシー不在ながらイベントとしては上々の出来。めでたしめでたし。
（取材・文＝珊瑚ky）
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