大阪2児遺棄事件 風俗とホストの関係

hosnavi.jpg※イメージ画像 photo by jldmplnktt from flickr

 大阪市西区のマンションで、幼い姉弟が置き去りされ、死亡した事件。食べ物も水も与えず、部屋のドアまでも粘着テープで塞ぐなどし、子供が外に出ないようして放置した母親の下村早苗容疑者は、「子育てがイヤになった。自分の時間が欲しかった」とネグレクト(育児放棄)した理由を供述している。離婚した元夫はすでに再婚、母はおらず、実父は三度目の再婚をしており、昨年11月に下村容疑者が「子供を預かってほしい」と父に頼んだものの、断られていたという。

 頼るもののない環境で、下村容疑者はホストクラブへ通うようになる。「ホストクラブで遊ぶのが楽しくて育児が面倒になった。もっと遊びたくて家を出た」とも供述しているように、ホスト遊びが子供への愛情を失うキッカケのひとつとなったようである。

 「ホスト遊びで借金がたまって風俗入りするよりも、風俗に入ってからホスト遊びにハマる場合が多い。なぜなら、風俗で知り合った同僚(風俗の女のコ)が”ホストに一緒に行こう”と誘うから」と話すのは、大阪の中規模なホテヘルの店長である。ホストにとって風俗嬢は、ふと客(大金を払う客)というターゲット。それゆえ、ホストは客のフリをして風俗に行って、自分が勤務するホストクラブに誘ったり、風俗嬢の客に”友達(同僚の風俗嬢)連れてきたら飲み代タダでいいよ”と甘く囁く。

「風俗店にとって、店のコがホストにハマるのは、良し悪しです。というのは、ホスト遊びにハマッて”ワタシがカレをナンバーワン(カレのために店で遊ぶ)にしてあげなくちゃ”と頑張って仕事に励んで貢ぐコもいますし、逆にホスト遊びが楽しくて、仕事が面倒になって無断欠勤を繰り返すコもいる」(風俗ライター)

 最近は、”普通のコ”が、風俗で働くようになった。”普通のコ”というのは、”なんとなく、他のバイトよりワリがいいから”という理由で風俗で働くことを選び、特に借金やお金に困っているわけでもないコをさす。こういった風俗嬢は、ホストにハマっても仕事を頑張るわけではなく、仕事を無断欠勤したりするという。

「だから、店によっては、女のコをホストに誘う行為を禁止にしているところもあります。さすがにホスト遊び事態禁止にしたら、女のコがいなくなってしまいますからね」(風俗ライター)

 もちろん、風俗嬢の中には自分自身の目的のため(学費や開業資金)に仕事を頑張って、お金が溜まったらスパッと辞めるコもいる。そういった”しっかりしたコ”の多くは、風俗で働いても店や女のコの友達を作ろうせず、風俗業界と一線を引いて働く。

「ホストにハマるコは事情ありのコが多いね。寂しがりで、地方から来て友達がいなかったり、家出して高校にも行かずに18歳になってすぐ業界に入ったコとか、親に虐待を受けてたりとか……。暗い青春を過ごしたコが、ホストで青春を取り戻すといった感じ」(ホテヘル店長)

 下村容疑者は中学時代にイジメをきっかけとして非行に走り、高校時代は親元を離れて東京で過ごしたという。幼少時に両親は離婚、虐待と呼んでよいものか分からないが、仕事熱心な父親は家庭を顧みずに放置していたとも報じられている。高校卒業後、彼女は地元飲食店で働き、19歳の時に妊娠、結婚。それから23歳になる現在まで、子育てに追われる毎日だった。離婚してからは二人の幼な子を抱えながら、三人分の生活費を稼がねばならなかった。下村容疑者も、失われた青春を取り戻そうとしたのだろうか。それとも、つらい日常の何もかもを忘れたいと願い、ホストクラブの華麗で賑やかな世界に飲み込まれてしまったのだろうか……。

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