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◆さすらいの傍聴人が見た【女のY字路】第8回

SM、女装、シャブに暴力......元NHK集金人の奔放すぎるハーレム生活


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※イメージ画像「NHK Broadcasting Center」 photo by jpellgen from flickr

 筆者も、あまり他人の容姿のことをとやかく言えるレベルではないが、さすがにこの男を法廷で見た時は「この人がハーレム作ってたってマジで......!?」と信じられない気持ちだった。

 お腹がポッコリと出て、ずんぐりむっくりした、いわゆる中年真っ盛りの体型に、柄物のセーター。どこからどう見ても、普通のオヤジだ。男は元NHK集金スタッフ、志賀耕二(逮捕当時47)。07年6月「元妻の遺体を切断した」と自首。捜査員が自宅へ駆けつけたところ、数個のビニール袋に入れられた女性の遺体を発見。志賀、そして一緒に自首したY子(報道によると内縁の妻・当時34)は緊急逮捕された。調べによると、志賀は同年5月、元妻に殴る蹴るなどの暴行を加え死亡させ、Y子と一緒にその遺体を切断。さらに別の女性(K美)へも同様に、殴る蹴るなどの暴行を加えたことが分かっており、元妻への傷害致死罪、死体損壊罪、そしてK美への傷害罪で起訴された。また、Y子は元妻の死体損壊罪で起訴され、公判は別々に行われた。

 志賀の、見た目に似合わない女性関係はこんな感じだ。

 元妻と結婚してほどなく、中学時代の同級生・K美と不倫を始め、さらにその後、Y子とも不倫関係に。元妻と離婚後、別の中国人女性と再婚。自宅に、両親と子供だけでなく、元妻、Y子、K美を住まわせ、再婚相手が住んでいる家とを行き来していたという。どこからどう見てもハーレム状態だ。

 また、志賀は再婚相手以外の女性には、付き合って間もない頃から暴力を振るっていたことも明らかになっている。

 事件のいきさつもすごい。志賀はかねてより元妻の浮気を疑ったり、自分が仕事で行き詰まった理由について「自分がシャブをやっていたり、SMプレイや女装をしていたことを元妻が仕事相手に喋ったんじゃないか」と邪推し、暴力を振るっていた(起訴はされていないが、志賀がシャブを使用していた姿はY子に目撃されている)。そして事件の日も、元妻の浮気を疑い、殴る蹴るの暴力を加えたのである。K美への傷害罪も同様だ。浮気を邪推し暴力を振るい、K美に反省文を書かせる約束を取り付けたのだが、Y子から「K美が反省文を書いてない」とタレコミがあり、激昂。同じく、殴る蹴るの暴力を振るったのだ。

 女装やSMは嗜好だからまだ"ヨシ"として、シャブに邪推に暴力癖......さすがに"ナシ"だと思うが、それでもこの関係が維持されてきたのには何か理由があるのだろう。案の定、志賀のマインドコントロール術をY子が法廷で語った。豊満な体型がセクシーで、美人な女性だ。本当に、志賀じゃなくても良い男がたくさんいただろう......と思わずにはいられない。

「知り合ってから間もなく、今から10年前は、半年ほど......志賀と男女の関係にありました。その後、男女の関係はなくなりましたが、交流はありました。志賀からは法華経という仏教の本を渡され、読んでいたら、いろんなことを教えてくれるようになりました。話は妄想めいてましたが、輪廻の話とか、志賀が王様であったり、天皇であったりすることで、周りに4人、支柱といって、志賀を支えるための4人の存在があると、よく説明していました......東西南北の支柱分けがあって、そこに元妻も私も位置づけられていると......」
 
 "教えてあげる"的立場で近づいてくる男に弱い女はいるが、さすがにY子もこの話は怪しいと思っていたらしく、

「ホントの気持ちは、間違ってるという思い、心の底でありました。でも、それを言うよりも、信じなきゃという気持ちが強かったです」
 
 他の女性と同様、Y子にも志賀からの暴力はあった。その結果一時期、失語症にもなっている。

「仮に、志賀の元を去ろうとして、逃げようとしても、そのとき何回も『お前たちはオレの元にいるから生きていられるんだ』とか『お前たちは死体置き場からオレが拾ってきたんだ』とか『念じればお前たちなんかすぐ殺せるんだ』とか言われたので、去ることができませんでした......。
 また、法華経の話、面白くて、その話を聞いたりしているうちに、だんだん、志賀の言ってることは本当ではないかと、自分の中で固めていた時期がありました。逃げたい気持ちもあったけど、できませんでした」
 
 志賀はどうやら、暴力とオカルト話の二段構えで女性たちを手玉に取っていたようだ。Y子が犯行に手を貸すキッカケになった理由も、こうだった。

「志賀から、裏の世界......前世の因縁、輪廻の世界では、私が元妻を殺したんだって告げられました......」

 逮捕後も、自暴自棄になり、志賀の言う通り「自分が殺した」と供述しそうになっていたという。

「留置されて10日ほどで、志賀の呪縛がとけてきました......。今でも怖いって気持ちはあります。でも、自分の中の気持ちの方が強いっていうのは、自分でも分かる」

 この手の男に捕まると、後々まで恐怖を引きずることになる。だが男は最初、だいたいみんな優しいから、見分けがつかなくて困りものだ。志賀なんて、見た感じだけは完全にただのオヤジで、人畜無害な雰囲気が漂っているから恐ろしい。

 その志賀、公判では堂々と元妻への傷害致死について否認。「頭を叩いたりぶったりはないです。顔面、腹部も殴打してません。思いっきりやったってことはない。最終的に、元妻が死んだのは私のせいではないと思ってます。Y子の何らかの行為が介在するのでは」と、モロに罪をなすりつける認否を行った。

 被告人質問でも迷言の連続。

「元妻は、私が新しい妻と再婚したから、恨んでたんだと思います!」
 
 と、勘違いモテ男をアピールしたかと思えば、

「人の死には2つある......」

 と、神妙な顔でお得意のオカルト発言。検察官にも「あなた、死人に口無しって知ってる?」と呆れられるほど。最後の最後、最終陳述でも「本当は、いろいろ調べて頂ければこんなことにならなかった!」と冤罪をアピールする有様だった。

 いろんな場面において、女は男を許しがちだが、どうも暴力だけは許さないほうがよさそうだ。こんな男の馬鹿げたオカルト話を信じてしまう程、弱ってしまうからだ。一度殴られたらサッサと別れるのが吉だろう。

 結果、Y子には懲役1年6カ月・執行猶予3年、志賀には懲役10年の判決が下された。今年中に、Y子は執行猶予期間が終わる。良い出会いがあるといいなぁと、おせっかいながら勝手に願う次第である。
(文=高橋ユキ)

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
裁判所で出会った面々と、女だけの傍聴グループ「霞っ子クラブ」を結成し、ブログ「霞っ子クラブの裁判傍聴記」を開設(現在は閉鎖)。書籍は『霞っ子クラブ~娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)ほか、『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社新書)など。好きな食べ物は氷。

『ハーレム女学園 魅惑のモテまくり学園生活編』


ハーレム、アラビア語ではハリーム

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