『人妻中出し哀願 [其ノ十九]ゆあ』妃悠愛

 女は誰もが役者だ。デキる女になるほど男を喜ばせるための演技を得意とし、相手の嗜好に合わせ、どんな女にも成り変われる。そんなことはとっくに知っているという人も多いと思うが、今回の妃悠愛ちゃんの変貌ぶりには誰もが驚かされるはず。ギャル女優として活躍する彼女が、若妻役を演じた時、まさかここまで魅惑的な女性へと変わるとは。正直、この作品を観たことで彼女への評価が変わった。こんな哀しいセックスをする彼女は、きっと愛に飢えた女性に違いないと心から思った。

 彼女の役は、気持ちの何かを埋めるため不倫を繰り返す若妻。ドラマではないので、役と言うより設定といった方が相応しいかもしれない。ホテルの一室で、シャワールームから出てくるシーンからスタートし、そそくさと服を着ると肌色のストッキングを片手に男が待つベッドへと向かう。

「これ、履く?」

 悪びれた様子はない代わりに、男に気に入られようと様子を伺うような目つきでそう聞いた彼女。男の指示に従いストッキングを細い足に通すと、嬉しそうにベッドに入り、男に身を寄せる。そして、服を着たまま粗っぽく身体を求める男に対し、満足そうに吐息を漏らすと、今度は突き出された手錠にそっと腕を差し出す。

「またこれ?」

 一瞬、冷めた笑いを見せるが嫌がることはない。スパンキングも拘束も嬉しいという素振りを見せる。しかし、それが本心ではないこともうっすら仄めかしながら……。尻肉を鷲掴みにされながら激しいバック突きに堪え、男の征服欲を満たしていく。都合のいい女になっても、この瞬間さえ満たされていればいいという哀しい感情が伝わってくる。この一連の流れがとてつもなくセクシーで、影があって、切なくて、エロティック。彼女に、こんな魅力があったとは!!

 また、そんな彼女の繊細な表情に合わせ、心情を書いたテロップが画面を遮るようにカットインさせるという演出も憎い。たとえば、壁際に立たされオナニーを強要されるシーンでは、画面上に映し出されているのは、恥ずかしさに腰をくねらせながら指で股間をまさぐる彼女の姿。しかし、画面がブラックアウトすると、そこに『こんな時も指輪をはずさない』というひと言が浮かび上がる。さらに、2人の男に玩具責めされ、涙目で喘ぐシーンでは、『私がビクッとした時の男たちの嬉しそうな反応が好き』。画面上の姿からは、全く想像もつかない卑猥なフレーズに身震いさせられてしまう。

 その後彼女は、バイブを突っ込まれたまま床に転がされ、フェラを強要されると、道具のようにベッドに投げ込まれ、乱暴なセックスへとなだれ込んでいく。どんなに雑に扱われようとも、彼女は嬉しそうに声を荒げる。そんな若妻の自虐的なセックスに、何を思うかは自由だが、筆者は女の哀しいまでの貪欲さを目の当たりにしたようで、胸の奥がざわざわしてならなかった。
(AV評:文月みほ)
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