なぜか妙にダサいドラマ

大コケ!! 「ツイッタードラマ」の脚本家に非難轟々

sunanarewww.jpgフジテレビ『素直になれなくて』公式HPより

 コミュニケーション・サービスのTwitter(ツイッター)を利用して知り合った男女の青春群像劇を描くドラマ『素直になれなくて』(フジテレビ系)の初回平均視聴率が、11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが分かった。お世辞にも高いとは言えない数字だが、数字以上に、Twitterユーザーたちからの批判・不満の声が噴出していることが興味深い。

 Twitterは、サイトに登録したユーザーが140文字以内で「つぶやき」を投稿するサービス。アカウントごとに専用の「ホーム」が割り当てられ、自分のホームには自分の投稿と、あらかじめ「フォロー」した他のユーザーの投稿が時系列順に表示される(タイムライン/TL)。ドラマでは、このサービスを通じて仲良くなった見知らぬ男女が、実際に渋谷で飲み会をしよう、と計画し、集まる。

 だが、ドラマ放送中から、「Twitterを出会い系のように扱っている」という批判や、「制作者は全然Twitterのことを分かっていない」という非難が、他ならぬTwitter上で噴出した。

・Twitter関係ねえじゃん
・Twitterに関して全く知識のない人に、Twitter利用者がみんなああいったオフをしてる、出会い系のように使ってると思われかねない
・なんかTwitter=出会い系のイメージを受けて各地の妻帯者から悲鳴があがってるらしい

 確かに、半年間の間ネット上のやりとりで交流を深めていた数人の男女が、オフ会後に距離を縮めていくという設定ならば、「mixi」でも「モバゲー」でも「2ちゃんねる」でも、あるいは「ライブチャット」でもおかしくない。制作のフジテレビと広告代理店が、Twitterを流行らせようという意図で、あえて物語に組み込んだため、違和感が拭えない作品になってしまったのだろうか。と、思いきや、「Twitterを是非使いたい」と切望したのは、脚本を務める北川悦吏子だったようだ。自身のアカウントで、

「ツイッターを言い出しのは、フジテレビじゃなく、私です。フジを悪く言わないで。私がネット上のつきあいを信じてることから、始まった企画です。なんか、はやりものにフジが飛びついたとみんなが思ってるのが悔しい。そんなことには私はのりません」

 と明かしている。

 北川は病名は伏せているものの、09年に病気で体調を崩していた。その間に、インターネット上のやりとりを通じて心温まる出来事があったようで、自身のブログで次のように記している。

ひとりひとりお礼が言えてなくて、ごめんなさい。
ここで、いろんな人に、守られたこと、支えられたこと、暖かい言葉をかけられたこと
大きな病気をして、入院して手術をして、
やっと退院してきた私…。
どんなに励みになったかしれません。
復帰第一作の連ドラとなった
「素直になれなくて」、にツイッターが登場するのは
ここの言葉のやりとりの中で、
私が、励まされたり、支えられたりしたことがきっかけでした。
ネット上の人とのつきあいを信じられる、と思ったのがきっかけでした。

 つまり、北川個人の思い入れが詰まった作品なのだろう。ただ、彼女の「Twitter利用方法」は、”仲良しの友人とおしゃべりするツール”という方向に偏り過ぎている、という印象を受ける。それはたとえば、彼女の次のようなつぶやきに集約されている。

「ツイッター。この、行ったら、誰かいるかな?って感じは、大学時代のラウンジに近いと思うんだけど。どう? あと、ツイートされたら、コールが鳴って、すぐにわかるようにしてる人ってどれくらいいる?私は、見たい時に、のぞきに来るって感じ」
「なんか突然、大声で泣きだしたくなることってない? 今がそれ。ブログに書くと心配かけちゃうようなことをここに書いて、書き逃げする予定。これからは、たくさんここに書く予定(あくまで、予定)」

 もちろん、どんな使い方をしようが各ユーザーの自由ではあるが、前出のように、彼女の書いた脚本からでは、「Twitter=出会い系」というネガティブなイメージを受け取る視聴者も少なくない。”友人とのおしゃべり”だけではなく、情報発信や収集、そして何より情報の拡散速度こそがTwitterの大きな特徴ではないだろうか。そうした側面を理解せずに、(あるいは理解しているがあえて「出会いツール」という側面を提示しただけかもしれないが)影響力の強いテレビというマスメディアで展開することに対して、多くのユーザーは不満を抱いている。

 だが、北川悦吏子は、自身のブログで次のように「批判コメントは受け付けない」旨を綴っている。

みなさん、ご覧になったら、ドシドシ、コメントくださいね。
ちょっとでも、否定的なのは、即座にブロックお願いします。アメーバさん。
あっ、ブロックは、ツイッター用語か。

 彼女がブログを開設している「アメブロ」ならば、わざわざお願いをせずとも、批判的なコメントは自動的に削除されるであろうが、Twitter上でも批判の声を聞きたくなければ、いっそプロテクトをかければよろしいのでは。自身の「つぶやき」を非公開にし、フォローのリクエストをくれる「ファン」のみが閲覧できるように改善すれば、快適なTwitterライフが送れることであろう。
(文=鬼龍院生姜)

 

『Twitter小説集 140字の物語』

 
こういうの参考にすればF1層にウケたんじゃね

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