メッセンジャー・黒田もハマッた!?

ガールズバーのボッタクリ度を検証してみた in 歌舞伎町

ガールズバーのボッタクリ度を検証してみた in 歌舞伎町の画像1※イメージ画像 photo by Kanpeki Yume from flickr

 年明けから12日目、大阪地検は、大阪・ミナミのガールズバーで男性店長(24)を殴ったとして傷害容疑で逮捕された吉本興業所属の漫才コンビ「メッセンジャー」の黒田有(たもつ)容疑者(39)らを起訴猶予処分にし、釈放した。吉本興業と黒田は謝罪会見を開き、黒田の謹慎処分、という形で事件は一応の幕を閉じた。

 しかしこの事件、腑に落ちないことがある。黒田が行ったガールズバーで請求された金額が25万円もの大金であることだ。そもそもガールズバーとはどんな形態の飲み屋なのか。

「ガールズバーはスナック、キャバクラなどとは違い、営業形態はあくまでバーです。バーテンダーが全員、もしくはそのほとんどが女性であるような店を指します。ですので、女性スタッフがお客さんの横についてお酒を作りながら接客するわけではありません。キャバクラ、スナックほどではないですが、通常のバーよりもチャージ(席料)が高い場合が多いですね。またチャージが時間制の店もあります。ですがその分、女性は若く容姿のレベルが高いことが多いです」(新宿歌舞伎町・風俗店案内スタッフ)

 風営法の改正により、この手の店は増加傾向にあるという。

「今回のメッセンジャー・黒田さんの事件は本当に弱りました……。『高い店には行けない、でも女性と楽しくお酒が飲みたい』という層に対して、この不況は『ガールズバーは安い』という認識をしてもらうチャンスでしたので……。当然、客足にも影響は出ました。元々うちは、リピート率が高く、常連の方々は変わらず通っていただいているのですが、新規客の獲得率が年末から一気に減少しましたね。店先で『ガールズバーってぼったくりだろ。怖えー(笑)』なんて会話が聞こえてくることもあります。本当にあの事件は痛いですよ……」(新宿・某ガールズバー関係者)

 ついにはガールズバーという看板を下げ、普通のバーとして営業し始める店も出始めたという。

 しかし、本当にガールズバーは真っ当な営業をしているのだろうか。今回の事件、わずか4時間ほどいたとしても、1人あたり1万円から2万円程度が相場といわれるガールズバーで、黒田容疑者ら4人は25万円請求されている。一人頭約6万円だ。

 そこで我々は歌舞伎町の某ガールズバーに潜入。事実を確かめることにした。

 今回、向かった先は歌舞伎町内にある「R(仮店名)」。ブラックライトで照らされた白を基調とした店内に入ると、まだ早い時間だったこともあってか、店内にはカウンター席に2人の客、カウンター内にはOL風のスーツを着た3人の女の子が立っている。10席ほどのカウンターと4人用のボックス席が3つ、奥にはダーツ機が設置してある。

「いらっしゃいませー。カウンターのお席にどうぞ」

 ショートカットの元気そうな女の子に案内されて、カウンターに座ると、すぐにおしぼりと灰皿、小皿に盛られたピスタチオが出てきた。

「今週はOL週間なんですよー」

 とショートカットの女性が着ているスーツを指さしながら話しかけてきた。容姿が幼いのでコスプレにしか見えなかったが、とても可愛い。店内はとても綺麗に掃除されており、清潔感に溢れている。置いてある小物もとてもセンスがいい。カウンターの向こうには色とりどりのリキュールと、なかなか珍しい焼酎やウィスキーがちらほら置いてあるのが分かる。

「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」

 長い黒髪に眼鏡が似合う知的な美人が正面に来て、注文を聞いてきた。白いブラウスの襟から覗く首元がとても色っぽい。ビール、と答えると、すぐにおしゃれなグラスに注がれたビールが出てきた。一口飲んで、おしぼりで口元を拭くと、かすかに爽やかな香りが漂ってきた。

「そのおしぼりは業者さんに洗濯してもらった後、うちで香料を振りかけているんです。もちろん人体に無害なものですよ」

 そう答えてくれたのは大人っぽい色気に溢れる同店マスターのSさん。愛らしい小物を飾り、おしぼりに香料をふるような小さな心配りが、まるで女の子の自宅に来たかのような錯覚を思わせる。店内に充満する特有の優しげな雰囲気が、とても居心地がいい。Sさんに一杯奢らせてもらい、少し話を聞いてみた。

「確かにあの事件以降、新規のお客さんは減りましたね。会計後に『ぼったくりじゃないのか!』とおっしゃるお客さんもいましたし……。正直、一部の心ない店舗のせいで私たちもそういう店じゃないの、と思われているみたいでとても悲しいですね」

 Sさんは青い色のカクテルを上品に飲みながら、呟いた。奥のダーツ機では、他の客と先ほど注文を聞いてきた黒髪の女性がダーツの腕を競っている。網タイツとOLスーツ姿でダーツを投げる姿がとても様になっている。Sさんとはお店の話や、恋愛話、趣味の話などで大いに盛り上がった。そうこうしているうちに徐々に客も増え、我々が店を出る頃にはカウンターが満席になるほど。会計を済まし店を出ると、忙しいにもかかわらずSさんが入り口まで案内してくれた。

「今日は楽しかったです。ごちそうさまでした。またお暇があったら遊びに来て下さいねー」

 手を振りながら笑顔で見送ってくれるSさん。我々は彼女のピチピチのミニスカートからすらりと伸びる足を目に焼き付けながら店を後にした。

「どの形態の飲み屋にも限らず、残念ですがごく一部に、ぼったくりと呼ばれる店は存在しています。だけど、ガールズバーではそんな店はさらに極小数だと思います。なぜなら、ガールズバーはスナック、キャバクラ、風俗に比べて客単価が低いので、客のリピート率、風評は生命線でもあるわけです。ですから、それらを自ら悪くするような真似は普通しません。そういう意味では今回の件はむしろ良かったと思いますね。ぼったくり店が減れば業界全体のイメージアップにも繋がりますし」(新宿歌舞伎町・事情通)

 ではそんな極小数のボッタクリ店に引っかからないようにするためにはどうすればいいのだろうか。

「一番簡単なのは、インターネット等を利用して事前に値段を調べておくことですね。料金が不明瞭な場合は実際に店内でいくらかと聞くのも、少し恥ずかしいでしょうが有効です。大きい繁華街などなら、路上にいる、俗にキャッチと呼ばれる案内人に、本人の名刺をもらった上で、だいたいの価格を聞くのも手でしょう。最も大事なのは酒に飲まれないこと。つまり、自衛が一番の手段ということですね」(前出・風俗店案内スタッフ)

 今回訪れた「R」では、二人でビール4杯と、ウィスキー2杯、カクテル1杯、おつまみを一品頼み、2時間ほどいて会計は9850円だった。これを高いととるかどうかは個人差があるだろう。しかし、我々としてはとても楽しい時間を過ごせた。

 その後の調査で、新宿に数店のぼったくりという評判が立っている店が存在していることが分かっている。しかし、ほとんどの店はそうではなく、お客さんに楽しくお酒を飲んで欲しいと思っていることを忘れないで欲しい。

 今宵もどうか、酒に飲まれることなく、みなさんが楽しい時間を過ごしてくれることを祈ってやまない。

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