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AV史上最強の異端アーティスト! 天野大吉(前編)


pic11.jpgマシュー・バーニー(現代美術家)を彷彿とさせるビジュアルワーク


【注意】本記事中にグロテスクな表現が含まれております。十分に考慮の上、ご覧ください。

 天野大吉という男をご存知だろうか。ゴキブリ、金魚、カエル、鰻、ミミズ、蛸、ミルワーム、サソリ、海鼠……思いつく限りのグロテクスな生き物を使い、もはやAVと呼ぶ事もはばかられるグロテスクな作品を作る一方、衝撃的な作品でカルト的な人気を誇るフランスの映画監督、ギャスパー・ノエとの親交も深く、アーティスティックな写真で女性ファンも多い映画監督にしてアーティストだ。その作品群は海外での評価も高く、「現代の葛飾北斎」とも呼ばれている。その作品の性質上、日本に於いてはあまりインタビューを受ける事は少ないという天野監督にインタビューを敢行した。

──もともとアダルトの志向はあったんですか?

天野大吉(以下、天野) ありました。もともとアダルトメーカーに就職して、2年半で独立しました。素人クラブとかAVのプロレスなんかを作っていたメーカーだったんですけど、そこから独立して最初3人でスタートしました。ひとりAV監督がいて、ひとり編集がいて、僕がフリーのデザイナーでした。そのうちにふたりが辞めていって自分が残ったんですよ。ふたりが辞めてしまったので、残りの仕事も自分で請け負ったというのが始まりです。辞めるに辞められなくて、カメラを持って自分でAVを撮ったのが最初ですね。

──それで最初に撮ったのは?

天野 最初に撮ったのは、『空中ぶっかけ4m』という作品です。自由な発想というのは心掛けてたんですけど、クライアントがいたんで、基本的にカラミのあるものを撮ってくれってことで。そこから、徐々にお金を貯めていって、低いコストで自分の好きなものを撮ったのがきっかけで、ゴレンジャーとかタイムボカーンシリーズのパロディを作りました。

──現在、主に幻奇と天奇と魂奇という3つのレーベルを手掛けられていますが、3つの使い分けというのは?

天野 幻奇が虫と魚関係で、天奇は首締め、魂奇というのはマニアック要素の入った普通のカラミですね。

──もともとパロディは好きだったんですか?

天野 妄想癖があるんでしょうね……こうしたら面白いんじゃないかと。幻奇と天奇に関しては、自分が見てみたいとか自分がされたらイヤだなっていうのを作ってるんです。ちなみに、僕は虫を触ったことないですね(笑)。ゴキブリも触れないし、道端でカエルを見たら飛んで逃げるくらい。現場では、内蔵の飛沫が飛んで来てもなんとか我慢できるんですけど……。イタズラ心みたいなものでしょうか。ウワ汚ねぇと思う自分もいるし、ウワ綺麗だなって思う自分もいるし。色んな自分がいる中で、やっぱり好きなんだなって。でも、根本的に性格が悪いんだと思います(苦笑)。


AVS-009unagi.jpg幻奇『鰻と泥鰌と憐れな肛門』
*編集部の都合により修正を施しております

 

──ご自分の作品を観た感想はいかがですか?

天野 最初に観た頃は気持ち悪いって思ってたかもしれませんけど、慣れって不思議なもので、嫌いからはじめても好きになってしまうんですね。もう5年前からやってるので。そもそも、AV業界で前例のないことをやりたいと思っていたんです。どうせ失敗するなら、自分が納得する失敗をしたいと考えて、最初に始めたのが獣姦のレズ。普通の獣姦はあったんですけど、犬にペニバンを付けてレズっていう作品はなかったんですね。犬にペニバンを付けるなんて、たぶん世界でもないと思うんですよ(笑)。犬の頭に金髪のカツラを付けて、ペニバンを付けさせたんです。ただ、それが自分の飼い犬だったんですけど。無理矢理ペニバンを付けて、練乳を女優のカラダに塗って舐めさせたんです。練乳30本くらい使ったのと、ライトの熱で具合が悪くなってしまいまして(笑)。結局、あとちょっとで終了という時に犬の体調が悪くなってしまいまして…。うちの飼い犬だったので、オヤジに「お前犬に何やった」と怒られました。「ウンコが真っ白なんだけど何やった」って(笑)。それがトラウマになりまして、犬はもうムリだと思ったんです。それで、生き物で死んでも平気なのは何だろうって考えて、次にうなぎを使用したんですね。膣内に入れても怪我がないし。

──女の子に対してのいたわりがあったんですね。

天野 この手の作品に出てくれる女優さんは貴重だというのもあったんです。今ではこちらからアプローチしなくても、プロダクションのマネージャーから「○○ちゃんが出たがっているんですが、撮ってくれませんか」という連絡があるんです。


P1430179kubi.jpg天奇『締め浮き首筋の鼓動が静かに』

 

──首締めもの中心の天奇レーベルについて教えて下さい?

天野 海外では実は幻奇よりも天奇の方が有名なんです。海外で殺人を犯した後、ペインターとして活躍するニコ・クラウスという人がいるんですけど、この方がファンだということでコンタクトを取ってくれまして。その縁で、この方のホームページで作品を紹介してくれたりっていうのもあって、観てくれる方も多いんです。

──パッケージとか写真もこだわって撮られてますよね。

天野 実はそこまで時間をかけずに、30分くらいで撮ってるんです。作り込むというより、ミミズがどれだけ乗ってるかとかそういう部分でこだわってます。あまり作り込もうとしても、相手は生き物なんで難しいんですよ。カエルを丁寧に配置してもストロボを炊いたら一気にピョーンって逃げてしまいますから(笑)。ほとんどコントみたいに。


GENKI019.jpg幻奇『摧きゴキブリが淫奔に嘶き痕跡』

 

──作品を観ていて思ったんですが、女優さんを探すより男優さんを探す方が難しそうですよね。

天野 虫モノを撮影する時に、男優がそのままだと硬いから飲み込めないって言い訳をするんです。だから、ミキサーに掛けて逃げ場をなくしちゃう。基本的に女性の方がグロテスクなものに抵抗はないみたいですね。

──ファンは男性と女性どっちが多いんですか?

天野 ビデオを買うのはやっぱり男性が多いですが、写真等の展示会は9割は女性なんですね。最近では、女性でビデオを買う方も増えてます。

──最近の作品ではカラミがまったく出てこないものも多いですね。

天野 単純に蛇やカエルの方が、男性器以上の迫力があると思うんです。そこで男性器を出しても絵にならないんですよね。普通にチンコ入れるんだったらゴキブリ入れてくれよっていうファンの方が多いですし。

──生き物が死んで可哀相という意識はあるんですか?

天野 でも食べ物でしょ? って感じですね。実際、蛸はから揚げにして、鰻は蒲焼きにして食べますし。ただ、今でも毛が生えた生き物は可愛くてダメですね。

──やりたいんだけど、できないことってあるんですか?

天野 この間やりたいなと思ったのが、タランチュラ。タランチュラって高いんですよ。2、3匹いても面白くないじゃないですか。3、4万するんで、何百匹もいたら女優さんのギャラ以上になってしまいますからね。最近では、ギャラなしで良いという女優さんもいますし。
後編へ続く)

◆幻奇

◆天野大吉

 

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