アダルト業界で働く女たちの本音シリーズ1

【雨宮まみ】女AVライターが微妙にヘコむ瞬間


amamiya.jpg雨宮まみが、弟に向けてAVを紹介するという形式のブログ「弟よ!

 

 女だてらにAVライターなどという仕事をして、もう7年になります。始めた頃はまだ20代でわりと心身ともにピチピチだったこともあり、画面の中の女優さんを見ては「なんでこんなにかわいい女のコがこの世にいるんだろう……」「なんでこんなにエロいカラダの女のコがいるんだろう……」「そしてかわいくてスタイル良くてさらにセックスもエロいなんていう三拍子揃った女のコまでいるんだろう……。このコたちと比べたら、自分なんかゴミクズのような存在だ!」と、まともに比較しては落ち込む日々が続いていました。そもそも、そういう三拍子が揃ってなかったからAVライターなんていう仕事に就いてるわけなんですが、若さとは盲目ですね。なーんも見えてません。
 当時はそんなですから、AV観てると興奮しながらも、女優さんのあまりの美しさ&エロさに劣等感を感じすぎ、打ちひしがれて観ながら号泣することもしばしば……。「もう、あんたこの仕事向いてないんじゃないの~?」と自分の中でゲイバーのママみたいなツッコミを入れつつ、それでもその魅力にとりつかれたようになってAVを観続けてました。
 
 当時はつきあっている人がいても「この人だって、もしあいだゆあちゃんとつきあえるんだったら、私となんかつきあわないに決まってる。あいだゆあちゃんのような単体の、美人でスタイル良くて(※インタビューしましたけど性格もむちゃくちゃいいです)かわいいコとつきあえないから、仕方なく私とつきあってるんだ」とか、「自分が男だったら、坂下麻衣ちゃんみたいなコに誘われたら絶対行くね! 浮気だろうとなんだろうと絶対行く!」とか、実際にそういう目に遭ってから考えればいいようなことを悶々と考えては、どんよりと落ち込むという劣等感無限デフレスパイラル状態。自分でもめんどくせー女だなーと思いますが、そういう性格だからライターなんていう仕事に就いたわけで(以下略)。ま、しょうがないといえばしょうがないですけど、一言で言うとバカだとしか言いようがありません。

 そんな私もついに三十路を越えて32歳。予想外の熟女ブームでタメ世代の女優さんのおヌードを見ることも多いですが、若い女優さんとの年の差はザ・ひと回りって感じで、さすがにまともに比較も嫉妬もしなくなり、観て劣等感にさいなまれることもなくなってきました。年を取るって悪いことだけじゃないんだな~、とポジティブ女性誌に出てくる芸能人のようなことをつぶやきつつ、余裕でタバコをくゆらせながらAVを観る日々に没頭していたのですが……。

 忘れもしない昨年、その事件は起こりました。『私を女優にして下さいAGAIN5』(カンパニー松尾監督/HMJM)という作品を観ていた時のことです。なちさんというお嬢様系なんだけど妙に雰囲気がエロい女性が出てきました。スレンダーだけどおっぱいあってくびれあって脚、ながっ! というスタイル抜群のボディに、タレ目気味の大きな目でジーッと男を見つめてくる視線がエロく、柔らか~い印象ながらも、この目とカラダの虜になった男は数知れずという猛者の覇気を漂わせていました。

 実際、部屋に入って触り始めると、すんごいエロかったです。まさに美形・スタイル抜群・中身もエロいという奇跡の三拍子が揃った女のコです。でも、もう私そんなことじゃ泣かないし……。そう思っていたところ、予想だにしない光景が私の目に飛び込んできました。

 なんと、なちさんの着けていた下着(たぶん私物)が、私の持っている下着の色違い&サイズ違いだったのです。目を疑いました。だって、色違いとはいえ、自分が着けている時の感じとあまりにも違いすぎるんです。思わず引き出し開けてデザインを確認したほどです。デザイン、同じでした。同じブラジャー、同じTバック、でもカラダが違うだけでこんなに違う……。ようやく熟女の年齢になってそういう気持ちは乗り越えたと思っていた私の脳天を打ち砕く、それはまさにセカンドインパクトでした。ま、まさか下着で違いを思い知ることになろうとは……。

 スタイルも美貌もトップクラスのAV女優と張り合いたいなんて思ってません。でも、でも、こんな形でその差を見せつけられるのはかんべんして~! と叫びたくなった瞬間でした。この下着、もう捨てた方がいいのかな……。ちなみになちさんは本当にいやらしいセックスをする方でたまらんものがあるので、男性のみなさんは遠慮なくどんどんご覧になるといいと思います。
(ライター/雨宮まみ)

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